便移植(腸内細菌移植)療法で腸内フローラを改善!副作用は肥満?

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他人の便を移植することで腸内環境の改善を狙うのが、便移植(腸内細菌移植)療法という治療法です。

えっ!便?

移植!?

パッと見衝撃的なネーミングですが、れっきとした治療法なんですね。

医療先進国のアメリカでは数年前から通常医療として行われていて、その効果の程も実証されてるんだとか。薬などの化学物質を使わないので体に負担もかけないということで、近年日本でも注目され始めた治療法なんです。

便移植療法で腸内フローラを改善!

便移植療法 腸内フローラ

便移植療法で狙うのは腸内環境の改善と先述しました。腸内細菌とはその名の通り腸の中で生きる細菌のことで、私たち人間の腸内には100種類以上、なんと100兆個以上の腸内細菌が存在してると言われています。それらの腸内細菌は種類ごとに集まって腸の内側(腸壁)にびっしり張り巡らされてるのですが、その様子を一面を彩るお花畑に例えて腸内フローラと呼んでいます。

人間の細胞の数は約60兆個と言われていますので、それよりはるかに多い数の腸内細菌が腸の中に存在してることを考えると、いかに一つ一つの細菌が小さいかが想像できますね。そんなとても小さな細菌ですが私たちの健康にとても関与していて、腸内フローラのバランスは便秘や肥満以外に免疫機能の働きにも大きな影響を及ぼすそうです。

腸内細菌には善玉菌悪玉菌があることはよく知られていると思います。テレビCMなどでもその名前がよく登場する乳酸菌ビフィズス菌は、最もメジャーな善玉菌たちかもしれませんね。

腸内フローラのバランスはその善玉菌たちが優勢である環境が理想なんですが、生活環境や年齢、ストレスなどの要因によってその環境は変化すると言われています。そのためヨーグルトなどの乳製品で善玉菌を補給したり、野菜やフルーツから善玉菌の栄養になる食物繊維を摂取することで、腸内環境の改善が期待できるわけですね。

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でももし何らかの原因で腸内フローラが悪玉菌優勢に傾いてしまうと、体にいろいろな悪影響を及ぼすこともあるんだそうです。そんな悪玉菌優勢になってしまった腸内環境を、他人の便を移植することで改善しよう!というのが便移植療法なんですね。

実は私たちが排出する便の約半分は腸内細菌やその死骸からできています。ですので善玉菌優勢の人の便にはたくさんの善玉菌が含まれていますので、それを移植することによって悪玉菌をやっつけることが便移植療法の狙いです。便と共に腸内細菌を移植することを目的としていますので、便移植療法は腸内細菌移植療法とも呼ばれています。

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便移植療法の方法とその効果は?

便移植療法 腸内フローラ

移植という言葉の付く治療といえば、臓器移植や皮膚移植が思い浮かぶかもしれませんが、便移植療法は外科的な技術を一切必要としないとっても単純なやり方なんです。

それは「水で溶かした便を肛門から直接大腸に注入するだけ」という方法。

ちょっと説明を省きすぎましたのでもう少し詳しく解説すると、ドナー(提供者)の便150g~300g程度に対して400g前後の生理食塩水を加え、容器の中でよく溶かします(臭いはそれなりにキツそうですね…)。溶かした便はガーゼなどのフィルターを通してろ過し、食物繊維などの食べ物のカスを取り除きます。そうして出来上がったドロドロの便を注射器に入れ、内視鏡を使って大腸の中に注入して移植は完了です。

患者さん(移植を受ける側)の体の負担が全く無いのがこの便移植療法の最大のメリットなんですね。

ただ、使う便は誰の物でも良いかというと、そういうわけではありません。ドナーの腸の状態が良好なのはもちろんですが、感染症や寄生虫の有無、既往歴や体形など諸々の条件をクリアーする必要があります。そして移植当日に使う便は排出後6時間以内の便で、その便も使用に問題がないか検査されます。

あとこれは患者さんの精神衛生面を考慮しての条件なんですが、ドナーは20歳以上で2親等以内の家族または配偶者に限られています。こうして設けられた数々の条件をクリアーした便が、晴れて移植用の便として使用を許可されるわけです。

もともと便移植療法は「クロストリジウム・ディフィシル感染症」という抗生物質の効かない大腸の病気の治療のために発案されました。クロストリジウム・ディフィシルという腸内細菌は誰の腸内にも存在する悪玉菌なんですが、この菌が何かのきっかけで増えてしまい腸内フローラのバランスが崩れてしまうと、下痢・腹痛・発熱などの症状を引き起こし、最悪の場合敗血症などの合併症を引き起こしてしまいます。

日本ではまだクロストリジウム・ディフィシル感染症の発症は少ないのですが、アメリカでは年間約50万人が発症し、そのうち5万人が亡くなっている病気なんだそうです。そんなクロストリジウム・ディフィシル感染症に対する便移植療法の効果はというと、なんと90%以上の患者さんに症状の改善が表れたそうです。そして便移植療法の効果はクロストリジウム・ディフィシル感染症だけに止まらず、日本国内に16万人もいるといわれている潰瘍性大腸炎の患者さんにも約70%の確率で効果が確認できたんだそうですよ。

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便移植療法の副作用は!未来の肥満対策になる?

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便移植療法は肛門から内視鏡を入れて便を注入するだけですので、体に傷を付けることもなく、薬などの化学物質も使いませんので薬剤性の副作用はありません。下痢や腹痛を訴える患者さんは少数いたそうですが、皆軽い症状で治まったそうです。ところが1つだけ思わぬ副作用が現れた患者さんがいました。

その症状とは「肥満」です。

なんと肥満体形の方から提供された便を移植した患者さんが、便移植療法の治療後に太ってしまったんだそうです。生涯一度も太った経験のない正常体重の患者さんだったのですが、便移植療法を行った後の数年間に20キロ近く体重が増えてしまい、その後もダイエットや運動を行ったにもかかわらず体重は減らなかったんだそうです。

同じような報告が数例あったことから、肥満体形の方の腸内には肥満を引き起こす腸内細菌が存在するのでは?という仮説が立てられました。そしてマウスを使った実験でも同じような変化が現れたことから、便移植療法のドナーに「肥満体形ではない」という条件が付け加えられたそうです。

このような結果から肥満になる腸内細菌は存在するということで、体形の変化と腸内フローラの因果関係を解き明かそうとする動きもあるそうです。逆を言えば肥満体形の方に標準体型のドナーの便を移植すれば痩せられる可能性もあるということですからね。もしかしたら将来便移植療法が肥満対策として主流になる日が来るのかもしれません。

便を注入することで腸内フローラを改善する便移植療法。

今後さらなる研究や検証が進めば、腸内細菌の関係する様々な疾患への応用も期待できるのでないでしょうか。

最後までご覧いただきありがとうございました。

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One Response to “便移植(腸内細菌移植)療法で腸内フローラを改善!副作用は肥満?”

  1. Agatha より:

    Smart thikning – a clever way of looking at it.

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